歯科医院で問題になりやすい「未払い残業代問題」と対策

こんにちは、歯科税理士Smileを運営する上田公認会計士事務所です。

歯科医院・デンタルクリニックの経営者が従業員であるドクターやスタッフから残業代を請求されることも珍しくない時代になりました。

一つ一つ見ていけば微々たるものかもしれませんが、積もり積もって過去数年分の未払い残業代を一気に請求されてしまうと、それだけで大きな金額が出ていく事になりかねませんので、歯科医院経営へのダメージは計り知れません。

普段から残業代については、どのように気を付けておけば良いのか簡単にではありますが、確認しておきましょう。

≪残業時間を減らす取り組みが重要≫

残業代は、法律上、「時間単価×割増率×残業時間数」という計算式により算出されることになっていますが、このうち「時間単価」と「割増率」については法律で定められた計算方法を下回る合意はできないとされています。

したがって、残業代を抑えるためには、結局、「残業時間数」を減らすしかありません。

タスクシフティングやAIの活用などにより業務の効率化を図ることによって、残業時間を削減する取組みがより一層重要になってきます。

≪院内に向けた明確なメッセージの発信≫

また、残業時間を減らすためには、その前提として労働時間の適切な把握と管理が不可欠ですが、そのためのシステム構築や、管理職やスタッフに対する研修・教育も必要となります。

加えて、組織全体として、無駄な残業はしないという方針を明確化し、それを従業員に意識づけることが何よりも重要であるといえます。組織のトップから、残業削減に向けた明確なメッセージを発信することが大切であると考えています。

≪固定残業代の導入で注意すべきポイント≫

なお、最近では、残業代の定額払(固定残業代)を導入するケースもみられますが、制度設計にあたっては十分な検討が必要です。

例えば、「職務手当」などという名目で残業代を定額払する場合、就業規則(賃金規程)や労働契約書等において、これが残業代の趣旨で支給されていることが明らかにされていないと、残業代の支払として認められない可能性があります。

また、基本給に一定時間数の残業代を含ませて支給する場合は、基本給部分と残業代部分を明確に区別できることが必要となります。

このように、固定残業代の支給にあたっては、きちんと制度設計をしておかないと、後日、支給したはずの残業代が法的に認められないという事態にもなりかねませんので、制度の設計・導入にあたっては専門家へご相談されることを是非お勧めします。

≪お気軽にお問合せ下さい≫

いかがでしたでしょうか。私どもは会計士事務所という立場上、税金や会計に関する相談以外にも幅広い相談を頂きます。

内容によっては、私どもだけでは対応できないこのような労務関係の問題でも、社会保険労務士や弁護士の先生たちと一緒に対応もしています。

特に私どもは歯科医院に特化した会計事務所ですので、歯科業界に精通している社会保険労務士・弁護士の先生をご紹介する事も可能です。まずは、お気軽にご相談を頂ければと思います。

 

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