ミネルバ会計週報『心地良い職場環境の指針 ~快適なオフィス空間を目指して~』2020.09.24

事業主の職場環境配慮義務

コロナ禍の中で迎えた今年の夏も、例年通りの暑い日が続きました。猛暑の中通勤をし、空調の効いたオフィスに到着すると少しほっとできますね。
ところで、過ごしやすいと感じる環境は人それぞれですが、温度や湿度を含む職場の快適な空間作りのルールは、事業主の努力義務として法律で定められていることをご存じですか。今一度、規則を確認してみましょう。

安衛法および事務所衛生基準規則

労働安全衛生法(安衛法)第71条の3の規定に基づく快適職場指針によると、事業者は、以下の4つの視点から措置を講じ「仕事による疲労やストレスを感じることの少ない、働きやすい職場づくり」を目指すことが望ましいとされています。
(1)作業環境の管理
(2)作業方法の改善
(3)労働者の心身の疲労の回復を図るための施設・設備の設置・整備
(4)その他の施設・設備の維持管理
これによると、不快と感じることがないよう、空気の汚れや臭気、温度等を適切に維持管理することや、心身の負担が大きい力仕事や不自然な姿勢での作業をさせないこと、休憩室等を設置・整備すること、洗面所やトイレ等も清潔で使いやすい状態にしておくこと等が示されています。
また、快適な職場空間を維持するため継続的かつ計画的に取り組み、労働者の意見を聞き、個人差への配慮及び潤いへの配慮も考慮すべきとしています。
更には、安衛法に基づく事務所衛生基準規則には室温が17℃以上28℃以下になるように努めること等、より具体的な数値が示されているので確認するとよいでしょう。

快適職場で効率アップ

勤労者にとって、職場は生活時間のおよそ3分の1を過ごす場所であり、いわば生活の場の一部といえます。その生活の場が暑すぎたり、寒すぎたり、汚れていたり、身体に負担がかかる作業であったり、人間関係が良くない場合には、本人にとって辛いだけでなく、生産性の面からも能率の低下をきたします。
職場を疲労やストレスを感じることの少ない快適なものとすることは、職場のモラル向上、労働災害の防止、健康障害の防止だけでなく事業活動の活性化に繋がることでしょう。

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