ミネルバ会計週報『成年後見制度と障害者控除』2020.3.23

成年後見制度とは

不動産・預貯金などの財産管理や、介護などのサービスや施設への入所に関する契約の締結、相続が発生した場合に遺産分割協議などをする必要があっても、認知症や知的障害などの理由で判断能力が不十分になると、これらを自分ですることが難しくなってきます。また、判断能力が不十分になってしまうと、自分に不利益な契約であってもよく理解ができずに契約を締結してしまい、悪徳商法の被害にあう危険もあります。
成年後見制度は、このような判断能力の不十分な方々を保護し、支援する制度です。従来の禁治産・準禁治産制度に代わり、平成12年4月からスタートしています。

税理士会も支援しています

税理士は、普段より、事業を営む方の税や経営に関することや個人の方々の資産管理に関することをお手伝いしています。 その豊富な経験を活かし、成年後見制度においても支援の必要な方々の貴重な財産の保全と適切な管理をお手伝いしています。
全国各地の税理士会は成年後見支援センターを開設し、成年後見制度に関するご質問に対して無料で相談を受け付けています。
また、日本税理士会連合会は、成年後見制度のパンフレットを作成し、各地の税理士会は、家庭裁判所へ成年後見人等の候補者となる税理士の名簿を提出するなどして、この制度を支援しています。

成年被後見人は特別障害者に該当

家庭裁判所が鑑定人による医学上の専門的知識を用いた鑑定結果に基づき、「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」として後見開始の審判をした場合には、所得税法上も、成年被後見人は「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」に該当し、障害者控除の対象となる特別障害者に該当します。居住者又は控除対象配偶者若しくは扶養親族が特別障害者である場合には、40万円の障害者控除が可能となります。(「成年被後見人の特別障害者控除の適用について」平成24年8月31日/照会者:一般社団法人 静岡県社会福祉士会/回答者:名古屋国税局審理課長)

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