法人成り
歯科医院の売上がある一定の規模を超えてきた際や、分院展開をする時などは個人事業のままではなく、医療法人成りを検討する必要があります。創業以来、歯科業界に特化している歯科税理士東京スマイルでは、提携している行政書士と一緒に医療法人成りをサポートしております。歯科業界に精通している歯科税理士東京スマイルや行政書士事務所がサポートしますので、安心してお任せください。
医療法人設立のメリット
1、節税対策になる
- ・経営者に給与の支給が可能
医療法人を設立することにより、個人事業主の頃と比べて税金が安くなる可能性があります。医療法人となることで、役員への報酬を支給することになりますので報酬を支払った分だけ経費とすることができます。さらに支払った報酬には給与所得控除が適用され、個人事業主と比べて納める税金を抑える効果が期待できます。また、親族も役員にでき、非常勤報酬を支払うことも可能で、所得分散による節税効果も期待できます。 - ・生命保険を損金として計上することが可能
個人事業主の時には制限のある生命保険料の控除額も、医療法人であればその種類にもよりますがより多くの金額を損金として計上することが可能になります。 - ・退職金を支給することが可能
役員への退職金を支給し、経費として扱うことが出来ます。退職金は通常の所得税の計算よりも優遇された計算方法を適用するので、節税としての効果が期待できます。
また、役員の社宅を貸与できるなど、節税のメリットを受けることが可能です。
2、医療法人と院長個人の財産を分離して管理
医療法人成りをすることによって歯科医院の経営と院長個人の財産を明確に区切ることができ、より健全な歯科医院経営の土壌を築くことができます。家計と経営が分離されるので、どちらも資金繰りの計画や、ライフプランの策定などにも役立てることが可能です。
3、医療法人による信頼のアップ
医療法人にすることによって社会保険に加入することになります。福利厚生がしっかりとしている印象を与えることができ、個人事業と比べて医療法人の方が対外的に安定している印象を与えやすいので、スタッフの採用時など有利になります。
4、事業拡大の可能性が広がる
医療法人は分院の開設もできますし、有料老人ホームなどの介護事業を行うことが可能です。今後ますますニーズが増える介護事業を行う場合、法人格を求められますので、事業拡大の可能性が広がります。
医療法人設立のデメリット
1、社会保険への加入義務
個人事業主の頃は任意の加入で大丈夫だった社会保険も医療法人となることで必ず加入しなければなりません。その際、役員やスタッフに支払う社会保険料の半分は医療法人の負担となります。社会保険に加入することで今までかかってこなかった費用が発生することになります。
2、小規模企業共済や国民年金基金が利用できなくなる
個人事業主の頃に加入していた小規模企業共済は、医療法人になると脱退しなくてはなりません。また、医療法人は社会保険である厚生年金に加入することになるので、国民年金基金に加入している場合は脱退する必要が出てきます。
3、医療法人のお金を院長が自由に使えなくなる
個人事業の時には医院のお金と院長のプライベートのお金はある意味で一緒でしたので、自由にお金を取り扱うことが出来ました。医療法人にすることで歯科医院経営に利用するお金と院長のプライベートなお金に明確な線引きがされますので、個人事業主の時のように自由にお金を扱うことが出来なくなります。あくまで役員報酬の枠内でプライベートの支出をやりくりをするようになります。
4、行政への届出事務手続きが増える
医療法人は定期的に都道府県へ決算書の提出や、役員の変更などの手続きをしなければいけません。基本的に行政書士や司法書士に委託することが多いですが、自院で行う場合には書類作成など煩雑な業務が必要になります。
5、医療法人で行えるビジネスの制限
医療法人は、医療法で付帯業務が制限されています。例えば、遊休地があってもアパート経営や来院者以外の方の駐車場経営は行えません。また、院内での物販なども、通院される患者様への医療提供や療養の向上の一環として行うものに限られ、サプリメントなどの販売にも気を付ける必要があります。
6、事業廃止が面倒
個人事業を廃止する場合は、廃止届を提出するだけなので簡単ですが、医療法人の場合は、都道府県の認可が必要です。医療法人解散認可申請を行い、法務局に解散登記を行った後、さらに清算結了の登記を行うことが必要です。
医療法人にするかどうかは慎重に検討して下さい!
医療法人にはメリットとデメリット両方ありますので、現在の医院の状況やこれからどのようにしていきたいのか等の展望によっても変わってきます。単純に売上が大きくなったから医療法人成りをして節税を行おうとすると、社会保険料の半分負担などを加味すると実態として手元に残る現金が少なくなるといった可能性にも注意しなくてはなりません。
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