上田会計週報『地方税の申告期限規定への疑問』2018.06.25

法人住民税と法人事業税での申告期限

法人住民税の申告期限は、法人税準拠で、法人税の申告期限となっています。法人税の申告期限は、事業年度終了の日の翌日から2月以内と規定されています。
それに対して、事業税の申告期限は、事業年度終了の日から2月以内と規定されています。 1日のズレがあるように見えます。

税務通信の問題提起

1年以上前なのですが、税務通信という税務の専門誌が、申告期限に関して、国税と地方税では、異なる規定が置かれている、と指摘していました。
当の専門誌の結論は、片や国税通則法、片や民法に根拠を置いているので、同じ内容になっている、ということでした。

国税通則法の規定とは

国税通則法には、「期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。」となっているので、事業年度の翌日と規定された初日は期間に算入です。3月決算なら、5月末日が申告期限です。
地方税法では、期間計算は民法によるとしていて、その民法では、「期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。」と規定しています。
国税通則法と民法に特に違いはなさそうです。

事業税の申告期限は2月後の末日の前日

事業税の申告期間の規定を素直に読むと、3月決算だったら、3月31日から5月30日までの期間が申告期間で、5月30日がその最終期限となり、5月31日の提出は期限後申告となってしまいそうです。
しかし、3月決算の申告書を5月31日に提出して、期限後申告とされた事例を聞いたことがありません。

忖度か遠回しの批判か?

税務通信の記事は、何だったのでしょうか。忖度のつもりで、おかしいところはないと書いたのでしょうか。
そうではなくて、おかしいとは書きませんが、ここはおかしいところなんです、と遠回しに批判しているのでしょうか。
この記事を読んでいて、はじめは、忖度記事だと思ったのですが、むしろ今は、後者なのではないかと、と思っています。

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