ミネルバ会計週報『コミュニカビリティ』2019.06.24
「コミュニカビリティ」と言う造語があり、「日本人のコミュニケーションの巧みさ」を指すようです。
「コミュニカビリティ」は、日本人の生活の様々な場面で活かされています。
「コミュニカビリティ」の「現れ」
身近な例をいくつか挙げて見ましょう。
・日本の居酒屋文化は、今や外国人の「ファン」をひきつけるようにまでなっています。居酒屋で出会った人々が、たちまち意気投合して、十年来の知己のように仲良く話をするのは楽しいものです。
・プロ野球やサッカーのサポーターが、ファンとして共通の意識で秩序正しく、応援に参加し、喜びや残念さを共有して楽しむのも「和の文化」であり、「コミュニカビリティ」の表れと言えましょう。
・大学駅伝マラソンで連勝を続ける青山学院大学では、先輩・後輩の分け隔てなく合宿所の掃除を行い、駅伝のやり方・走法について率直な意見交換をします。そのようなコミュニケーションによって、個々のランナーが育ち、チームワークも強化されるのです。
・筑波研究学園都市では一時、自殺者があとを絶たず、地域の中央に何軒かの居酒屋を開店したところその問題が解決された、と言う話があります。居場所をなくして悩んだひとが居酒屋でのコミュニケーションに救われたのです。
ビジネスのコミュニカビリティ
ビジネスにおいても「コミュニカビリティ」は有益です。
例えば目標管理制度の運用で、年齢・性別にかかわらず、自分達の目標達成について、成功要因・障害など、和気藹々と率直な意見交換を行う習慣を持てば、その中で、個々人が育ち、チームワークが生れます。
経営者・管理者の留意点
このような「コミュニカビリティ」を生み出す役割は、経営者・管理者のマネジメントにあり、「三現主義」に基づいて、率直・自由なコミュニケーションをファシリテーションで促進するのです。