ミネルバ会計週報『定年と社内等級制度』2019.11.18

部品製造メーカーN社の社内等級制度は定年延長に伴ない、次のように役割期待を重点として変化しております。

N社の社内等級制度の変化

従来制度
資格体系はスタッフ系(P群)、技能系(Q群)、一般事務(R群)の3体系と、その上位資格の主任・係長層(S群)とで構成。通常、成長とともに職群の中で昇格をしていき、スタッフ系の主任クラス、技能系の係長になるためには、S群への職群転換。
PQRの職群は、各々の職群によって職務が限定され、定型業務を主体とした一般事務では、職域の拡がりが抑制され、チャレンジし領域を拡げたいと考える従業員の意欲を阻害する要因。
改訂制度
職域拡大への挑戦を促し、従業員の能力を最大限に引き出すために、現在のPQR群(P:スタッフ。Q:技能、R:事務)を統合し、J・M群とした。
・新資格体系では、・学歴や年齢によって仕事の範囲が限定されることがないよう、昇格や職群転換の機会を得やすくした。
・また目指すべきキャリアを掲示し、成長意識を促すため、期待役割を資格毎に設定した。
J群は、入社し実務担当者として業務全体の目的や流れを理解し、一人前を目指し訓練中の人材。年齢層としては、概ね18歳~30歳代前半。
M群は、現場を支える実務の中心メンバー、高度な課題に対応できるエキスパート人材として実務・現場を牽引する人材。チームのメンバーをまとめ、突発的な問題や不測事態に的確に対処してチームの業務全体の円滑な推進・完遂を支えるとともに、後輩の育成や業務改善にも積極的に取り組み、一定の成果に結びつけている社員のランクをM3、さらに上位の実務の優秀なエキスパートとして難易度の高い業務改革、改善に取り組み、成果を出していくことが期待されるランクをM2、第一人者としてM1。S群は、係・チーム単位の管理者、また特定分野のスペシャリストのランクとしてS2・S1と定め、基幹職候補人材の職群とした。新卒入社すれば誰もがJ群に位置付け、成長して行く体系となる。

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