ミネルバ会計週報『確定申告書Bの変更』2020.2.3

確定申告書Bの様式変更

そろそろ所得税の確定申告の時期ですね。確定申告書には簡易版Aと原則版Bがあります。今年は確定申告書Bの第一表の様式に大きめの変更があります。
「所得から差し引かれる金額」の順番が変更され、各種控除の小計が書かれる「10から20までの計」という欄が追加されました。印象的には、確定申告書Aに近づいた感じです。

年末調整の所得控除が省略可能

この変更は平成31年度の税制改正において、給与所得者で「年末調整で適用を受けた各所得控除の額」と「確定申告で適用を受ける各所得控除の額」が同額であるなどの場合には、所得控除の内訳の記載を省略できることとされたためです。
源泉徴収票で言うと「所得控除の額の合計額」という欄の数字を、「10から20までの計」に記載するだけでいいよ、という改正です。また、従来e-Taxでは源泉徴収票等の記載事項を入力して送信することで、提出を省略できていましたが、申告書による提出の場合でも、源泉徴収票については、添付が不要となりました。今はPCの普及により少なくはなってきましたが、「手書きで確定申告書を作っています」という方に優しい改正です。
ただし、源泉徴収票の支払者や収入金額等の情報については、従来通り申告書の第二表に記載する必要があるので注意しましょう。

申告書「A」の存在意義は?

確定申告書Aは給与・雑・配当・一時所得のみで、予定納税額がない方のみが利用できる簡易版です。もともと年末調整の所得控除は省略して書けるフォーマットになっていましたが、今回の変更を受けてさらに差がない印象となりました。
また、確定申告書Aで申告可能な方も、別に確定申告書Bを使ってもかまわないわけですから、Aの存在意義は「欄が大きめで見やすい」というところでしょうか。
現国税庁のサイト、確定申告作成書作成コーナーでは「給与所得のみの方など申告書Aの様式で作成できる方も、作成コーナーを利用する場合には申告書Bの様式で表示されます」となっています。

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