訪問歯科をどう立ち上げたら良いのか? ~ブルーオーシャンの切り開き方~

■訪問歯科って必要?

団塊世代が後期高齢者を迎える2025年まで残り2年になりました。日本の超高齢者会はますます加速していますがまだ訪問歯科を実施している医院は14~5%程度という統計データがあります。
「訪問歯科ってやった方がいいですか?」という質問を度々いただきますが、先生方は医院経営をいつまでどのようにやられる予定でしょうか。今後も患者さんが増え続ける見込みが立っていればいいですが人口動態から予測すると外来患者が減少することが明確になっているなら、今拡大し続ける在宅医療市場を視野に入れることは選択肢としてあってもよいでしょう。

■訪問歯科ってどうやって始める

これまで外来中心に診療していた歯科医院が訪問歯科を始めようとすると、最初に訪問診療専用の車両やポータブルユニットなどの診療器具などを購入しなければならないのではないか?と疑問をもたれる先生もおられると思いますが、最初は必要最小限の設備からで十分です。まず身近な患者さんへのアプローチを行い在宅療養患者さんの口腔内状態を診ていただきたいと思います。その後必要に応じて適宜整えていくことが無理のないスタートだと言えます。

■訪問歯科を始める際の注意点

外来との違いについて、訪問診療は生活の場にお邪魔するということです。このことは常に念頭におかれるとよいと思います。歯科医師、歯科衛生士主導で居宅内を自由に行動したり、無断で居宅内設備や備品を使用してはいけません。生活の場なので「お邪魔します」という気持ちで接していただくことが大切です。以前、関東圏内に複数展開する有料老人ホームの施設長さんに、いい訪問歯科とはどのようなものですか?と質問をしたところ驚きの回答が返ってきました。診療技術に関することは一つもなく、挨拶ができる、準備や片付けを丁寧に行う、わかりやすくしっかりと説明してくれるという人間関係を形成する上で非常に根本的なことでした。
こうしたことからもわかるように訪問診療は生活の場、コミュニケーション重視ととらえていかれるとよいと思います。

■実際に訪問歯科を始めたらどうすればいいか

外来では患者さんに診療の説明をされることがほとんどだと思います(小児や高齢者の場合は親御さんやご家族の場合もありますね)。訪問診療については患者さん、ご家族にくわえ、ケアマネージャーという職種の方にも定期的な情報共有が必要です。ケアマネージャーは文字とおり介護(ケア)を管理(マネジメント)する役割の方で月1度は患者宅に伺い身体的な状況を確認しながらケアプランを立てられています。介護においても口腔が重視されてきているので訪問歯科からの情報共有は非常に重要です。こうした外部関係者とうまく連携することで地域に信頼される訪問歯科を提供できるようになります。
訪問歯科を手軽にはじめてみたいという先生がいらっしゃいましたら下記ページもご覧ください。

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