ミネルバ会計週報『永年勤続表彰金の 社保・労保・課税上の取扱い』2023.09.04

今年の6月に事務取扱いが追加された事項

今年の6月27日に出された「標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱に関する事例集」に永年勤続表彰金について以下の問答が追加されました。
問 「事業主が長期勤続者に対して支給する金銭、金券または記念品は報酬等に含まれるか」
答 「永年勤続表彰金については、企業により様々な形で支給されるためその取扱いについては名称などで判断するのではなく、その内容に基づき判断を行う必要があるが、少なくとも以下の要件をすべて満たすような支給形態であれば、恩恵的に支給されるものとして原則として報酬等に該当しない。ただし、当該要件を一つでも満たさないことをもって直ちに報酬等と判断するのではなく、事業所に対して当該永年表彰金の性質について十分認識したうえで総合的に判断する。

「永年勤続表彰金における判断要件」

①表彰の目的が企業の福利厚生施策または長期勤続の奨励策として実施するもの。なお、支給に併せてリフレッシュ休暇が付与されるような場合はより福利厚生の側面が強いと判断される。
②表彰の基準は勤続年数のみを要件として一律に支給されるもの
③支給形態は社会通念上いわゆるお祝い金の範囲を超えていないものであって表彰の間隔がおおむね5年以上のもの。
労働保険上の取扱いは行政手引50502によると「勤続年数に応じて支給される勤続褒賞金は、一般的には賃金とは認められない」とされています。

課税上の取扱いは

国税庁のタックスアンサー2591によると創業記念で支給する記念品や永年にわたって勤務している人の表彰にあたって支給する記念品などは、一定の要件を満たしていれば給与として課税しなくともよいとなっています。ただし、記念品の支給や旅行や観劇への招待費用の負担に代えて現金、商品券などを支給する場合にはその全額(商品券の場合は額面額)が給与として課税されます。

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