ミネルバ会計週報『取引先・金融機関の信頼を得る! 補助金活用につながる備え』2025.04.21

経営を守る防災計画

近年、地震や豪雨、感染症など中小企業に影響を与えるリスクは一層深刻化しています。中小企業庁が推進する「事業継続力強化計画」は、有事に備えた行動計画を策定し、国の認定を受ける制度です。
災害時に事業を中断せず、早期に復旧させる備えを整えることで、企業の信頼性や持続性が高まり、結果として経営基盤の安定につながります。近年はBCP(事業継続計画)の簡易版として、初めて防災に取り組む企業の入り口にもなっており、計画書の作成も比較的ハードルが低い点が特徴です。

補助金・融資など幅広い恩恵

認定企業には、「ものづくり補助金」「事業承継・引継ぎ補助金」「持続化補助金」などの加点措置が講じられ、補助金申請時の採択率が向上します。さらに、日本政策金融公庫の低利融資や信用保証協会の保証枠拡大、自治体の独自補助制度との連携など、計画を軸にした多角的な支援が広がっています。事前の備えが、結果として資金調達力や経営の安心感を生み出す好循環をもたらします。

2025年の制度再編に備える

2025年4月以降は「経営力向上計画」の柔軟な取扱いが終了します。その代替的役割として「事業継続力強化計画」の重要性が増すと予想されます。また、同年には「中小企業省力化投資補助金」が創設され、AI・IoT・ロボット導入などの自動化設備に対し最大1億円が補助される予定です。
これらを組み合わせることで、防災と生産性向上の両立が実現できると期待されています。中小企業にとっては、今後の成長戦略の中に防災の視点を組み込むことが、新たな経営力の源になるでしょう。

いま備えることが未来を守る

申請は通年で受付され、電子申請にも対応しています。有効期間は5年間で更新も可能です。策定支援を行う商工会・商工会議所・地域金融機関などのサポートを活用すれば、はじめての企業でも安心して着手できます。
社員と家族を守り、地域に貢献できる「強い会社」への第一歩として、今こそ計画策定を検討してみてはいかがでしょうか。

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